しばらくは旅行の予定もないので、昔の旅の思い出を整理して行こうと思っています。
まずは、もうかれこれ20年近く前になってしまいますが、2001年春にサンフランシスコからロサンゼルス間に乗車したアムトラックのコースト・スターライトについての思い出です。現在とは状況も金額も時間も違っていることが多いかと思いますが、おばさんの昔語りです。よろしければ、お付き合いください。
サンフランシスコ
アメリカの都市の中でも、サンフランシスコは特に好きなところです。初めての海外旅行で訪れた地もサンフランシスコでしたし、子供たちと20年ほど前によく観たアメリカのTVドラマ「フルハウス」の舞台でもあり、とても親しみを持っています。青い空に映える鮮やかなゴールデンゲートブリッジやフィッシャーマンズワースの大きなカニの看板、ガッタンゴットンと急坂を上るケーブルカー、上りきった坂から開ける海に浮かぶアルカトラズ島、、、、何もかもが美しくて爽やかで今すぐにでも、また行きたいなと思ってしまいます。
フィッシャーマンズワーフのカニの看板。中にシチューの入った酸っぱいパンが有名ですが、味はイマイチかな。
言わずと知れたゴールデンゲートブリッジ。霧の中でもよく見えるように鮮やかなオレンジ色にしたらしいね。
ケーブルカーは遊園地のアトラクションみたいで大好き!
坂を上りきったところで海が開けてアルカトラズ島が見えます。上陸してみたいな。
コースト・スターライト
コースト・スターライトとは
コースト・スターライト (英語: Coast Starlight) は、アメリカ合衆国の西海岸、シアトル(ワシントン州)とロサンゼルス(カリフォルニア州)の間、2216kmを1泊2日約35時間で結ぶアムトラックの長距離旅客列車である。 2013年度の統計では、1日あたり1,314人の旅客が利用した。
私は特別に鉄道や乗り物が好きというほどでもありませんが、サンフランシスコからロサンゼルスへの移動を考えたときに、あっという間に到着してしまう飛行機では味気ないな、たまには変わった手段をと思い立ちました。アメリカの移動は飛行機か車以外、ほとんど選択肢はありませんが、この区間ならアムトラック(鉄道)という手があるらしいということがわかりました。サンフランシスコからロサンゼルスまでの所要時間は12時間とかなり時間がかかるので移動の手段としてはあまり有利とは言えませんが、アメリカらしい風景を見ながら、のんびり列車の旅もいいものかなぁと決めました。
上記にありますように、コースト・スターライト号はアメリカ西海岸のシアトルからロサンゼルスを結ぶ鉄道です。私たちは、サンフランシスコ発ロサンゼルス着の区間を利用しました。
チケット手配と料金など(2001年の情報、古くてゴメンね)
チケットの手配ですが、今ならインターネットで簡単に手続きと決済が出来ることと思います。当時でもインターネットでの手配を出来なくもなかったのですが、今とは違ってオンライン上で受け取るEチケットなどがなく、日本まで紙媒体のチケットを郵送してもらう手間やら万が一のキャンセルを電話でするとなると絶対無理!とか、いろいろ不安があったので、アメリカにある日本人経営の旅行会社に頼んで手配をしてもらいました。当時、よくディズニー関連の手配をお願いしていたミッキーネットさんという会社でしたが、現在このような手配をしてくださるかどうかはわかりません。
大人二人(私達夫婦)、子供二人(小学生の娘たち)の計四人で、二段ベッドになる寝台、トイレ・シャワー付きの個室で、朝、昼、夜の食事、軽食と飲み物のバー付きの料金です。記憶が定かではないのですがデラックスベッドルームにおける小学生の子供料金は無料あるいはかなりの割引だったかと思います。
普通の座席であれば、一人48ドル(子供半額)ともっと安く済ませることも出来ましたが、何せ12時間という長旅だったので、個室付きを選びました。料金は2001年当時のもので、旅行会社手数料込です。
4人分乗車券+デラックスベッドルーム料金 朝食・昼食・夕食・飲み物・軽食付き (発券時レート1ドル=110円) | 474ドル (約52,000円) |
サンフランシスコからオークランドまでは連絡バスで
アムトラックはサンフランシスコ市内に乗り入れていないので、フェリービルディング南隣にあるアムトラックオフィスからオークランド駅までは連絡バスが出ます。オークランド駅まではベイブリッジを渡って30分くらいで到着しました。
サンフランシスコ市内のフェリービルディング。アムトラックのオークランド駅に向けて連絡バスが出ます。
オークランド駅行きの連絡バス。30分くらい乗りました。
コースト・スターライト乗車
現在の状況はわかりませんが、当時アムトラックは時刻表通りの時間に到着しないのは当たり前、2時間遅れくらいは普通くらいで「Coast Starlate」などと揶揄されていたそうです。私たちの時は、たったの10分遅れくらいでした。
駅に滑り込んでくるアムトラックの車体を見たときには、胸がときめきましたね。日本やヨーロッパとは違った、昔から変わっていないアメリカ~ンな感じね。
10分遅れくらいで列車到着。ラッキーな方だったらしい。
乗り込みます。わくわく。
列車はすご~~~く長くてどこから乗るのかわからず、車掌さんに尋ねて前から3両目くらいの入り口から乗車。スタッフさんに案内されて狭い階段を上って、2階にあるデラックスベッドルームに到着。部屋自体は3畳くらいの狭いものなのだけど、2段ベッドを引き出せば、下のベッドは普通のシングルベッドくらいの大きさがあって、みんなでゴロゴロするのにちょうどいいし、洗面台、トイレ、シャワー(なんとトイレの真上に設置してある。これを使うとトイレの床が水浸し。トイレを使う時気持ち悪くなりそうなので、使わなかった)まで完備。バスタオルやフェイスタオルやミニタオル、石鹸やシャンプーなどのアメニティセットもホテルみたいに完備でゴージャスな感じ。テーブルの上にはギラデリのミントチョコまで置いてあって、感激。列車が発車すると担当のアテンダントさんが来てくれて、英語が不自由な私たちのために、実際車内を案内してく れて、自動ドアの開け方や展望カー、食堂車の説明などをして下さいました。自由に飲めるコーヒーやお水、ジュースが車両脇にいつでも完備されているし、展望カーではソフトドリンクが無料で飲み放題なので、いつでも好きなときに飲んでもOK。好きに取ってよい軽食(朝はマフィン類、午後はチーズとクラッカー)も完備。朝・昼・晩と3回の食事も料金込み(チップだけは必要)。アテンダントさんが朝ご飯食べる?と聞いてくれたけど、もう既に食べてきているので、これはキャンセル。でもせっかくだからマフィンだけ貰っちゃった。
個室前の通路。狭いです。
乗り込んですぐにスタッフさんに二段ベッドを設置してもらいました。
バスアメニティとギラデリチョコ
個室内トイレ
トイレの真上にシャワーがあります。使うとトイレがびしょびしょになりますね。
個室内の洗面所。 ジュース、水、マフィンなどを貰ってきたところ。
コーヒー、ソフトドリンク、軽食が置かれたコーナー。
展望ラウンジカー。明るくて気持ち良さそう。
これは食堂車?展望ラウンジカー?うーん、忘れちゃった。
お昼になるとアテンダントさんが、食堂車にランチに来てね~と呼びに来てくれました。私たちは4人家族だから家族で一テーブルだけど、1人や2人の人は相席なんだって。列車の中の食堂とはいうものの、ちゃんとテーブルには真っ白なテーブルクロスがかけられ、お花が飾られているんだよ。ランチメニューの中から、私と娘達はチーズバーガー、夫はサーモンサンドイッチと飲み物はアイスティーを注文。出てきたバーガーは巨大だし、おまけに食後にはデザートまでついていて、もう入らないよ~~!と思ったけど、アイスクリームまでしっかりいただきました。
ランチ
サーモンサンドイッチとアイスティ。
ハンバーガーとアイスティ。大きすぎて大変!
部屋に戻って窓からの景色を楽しもう!車窓の景色は延々と森と野原ばかり・・・。アメリカには1人も人が住んでいないの???と思ってしまうくらい、家も人影もゼロ。私の知っているアメリカはニューヨークやディズニーランドやサンフランシスコなんかの大都会ばかりだったので、こんなに延々と何時間も大自然の景色ばかりが続くのには驚きました。さすがにアメリカは広いね。
ひたすらこのような風景が続きます。
たまに牛でもいるととても嬉しい。
ベッドでみんなでごろごろ本や漫画を読んだり、ジュースやコーヒー、お菓子などを貰って来て食べたり、お昼寝したりとのんびり過ごしました。車窓の眺めは、延々と森と野原が続くあまりにも変わり映えのしない風景でちょっと見飽きるかな。
午後にアテンダントさんが夕食の時間の予約を取りに来てくれました。午後4:40頃から午後6:10まで5つくらいの選択肢があり、6:10の部を指定。それぞれの時間になると放送が入りました。ステーキを注文。出てきたステーキのデカイこと、デカイこと。これ1枚で家族4人いただけるくらい。とてもとても、デザートまではたどりつけませんでした。
夕ごはんのステーキ。でかすぎてでかすぎて、大変。
サンタバーバラ駅を予定よりも1時間遅れくらいで出発。この辺りからは、それはそれは美しい海岸線を楽しめました。波が打ち寄せる誰もいない海・・・。太平洋に沈む夕日。なかなかロマンチックでございました。
サンタバーバラの海岸線。海が見えると気分も上がるわね。
海に沈む夕日など眺めて旅情に浸ったりして。しかし窓ガラスが汚れてるね。
サンタバーバラ駅での遅れからロサンゼルス到着は、1時間くらいは遅れそうかなと思っていたら、アテンダントさんがあと10分で到着ですと知らせに来てくださいました。最後の方の時刻表はあらかじめ遅れを見越して、余裕を持ったものになっているのかな?
窓の外を見ると、ロサンゼルスダウンタウンの高層ビル群の明かりが見えてきました。車窓に広がる大自然の光景があっという間に大都会へ。アムトラックさん、私達にふたつの全く違った顔を見せてくれてありがとう。午後9時10分頃、時刻表通りにロサンゼルスユニオンステーションに到着しました。まるで教会のような美しい駅舎でした。
ロサンゼルス・ユニオンステーション。教会みたいに荘厳な感じ。
12時間も乗っていたのに、もっともっと乗っていたいくらいの快適なアムトラックの旅でした。担当のアテンダントさんにチップを渡して下車しました。楽しい列車の旅でした。
ロサンゼルスでは遊園地三昧
ロサンゼルスではユニバーサルスタジオやディズニーランドとカリフォルニアアドベンチャーに行ったりして楽しく過ごしました。特に、当時オープンしたばかりのディズニーカリフォルニアアドベンチャーで遊んだこととグランドカリフォルニアンホテルに宿泊したのがいちばんの思い出。
ユニバーサルスタジオハリウッド。 ジュラシックパークはちょっとやそっとではない水しぶきを浴びましたね。
出来立てほやほや(当時)のディズニーカリフォル二アアドベンチャーに行きました。
出来立てほやほや(当時)のグランドカリフォルニアンホテルに泊まりました。 ロビーには赤々と燃える暖炉があったり、プールも素敵で素晴らしい滞在でした。
アリエルちゃんと。
やっぱりアメリカは広大で刺激的で素晴らしいな。また、いつか行けるといいな。
古い思い出話にお付き合い下さいましてありがとうございました。
2001年春 アムトラック・コーストスターライトの旅の思い出(了)みむろ