おばたび~obasanだって旅したい

香港・スペイン・大塚国際美術館・伊勢など楽しい旅の思い出を語ります。

2018年12月マドリード(+少しだけ香港ディズニーランド)6日間の旅⑩ マドリード二日目午後・トレド観光ツアー

トレドに行こう!ただしツアーじゃないと無理ね。

マドリード近郊にはトレドという美しい街があります。昔から、もしスペインで一日しかないならトレドへ行けと言われているとかなんとか。私は本当のところ、一日余裕があるなら、大急ぎでも良いからバルセロナサグラダファミリアに行きたいなとも思っていたのですが、バルセロナは見どころも多くそんなに大急ぎで行くところではなさそうと分かり、断念。それならば、近場でということでトレドに行くことに決めました。

トレドはマドリードからの距離は約70キロで、電車なら約30分、バスでは約70分くらいで行けるらしく、それほど遠くなさそう。マドリードからの日帰り観光の定番となっています。私も電車かバスで行って来てもいいかなと思って口コミや旅行記などを見ていましたが、必ず出てくる言葉が「迷路のような街で道に迷った」というもの。迷いようもない分かりやすい街でさえも道に迷ってしまう私がトレドを一人歩きするのは絶対に無理と、現地ツアーを頼むことにしました。

初めて地下鉄に乗ってみたよ

午前の市内観光と同じみゅうトラベルさんのツアーを頼みました。午前と同じガイドさんが案内してくださるそうです。15:00のトレドツアーの集合場所は、王宮からもう少し西に行ったところにあるフロリダホテルのロビーでした。午前の観光のガイドさんとの別れ際に、集合場所へは歩いて歩けないこともなさそうだけど地下鉄で行こうと思っていますと言いましたら、ガイドさんが地下鉄のマルチカードを貸してくださいました。

地下鉄のマルチカード。初期費用2.5ユーロが必要。不要になっても返却・返金のシステムはなし。

ガイドさんが言うには、マドリードの地下鉄の切符の購入の仕方が旅行者にとってはあまり親切なものでないそうです。マドリードの地下鉄は例え1区間をたった一度乗車するだけでも、まず最初に必ずマルチカードというsuicaのような形のカードを2.5ユーロで購入せねばなりません。その上で行先に応じた金額の切符を購入し、マルチカードにチャージ?(読み込ませる?)形で使用するそうです。日本のSuicaのように最初に幾らかの金額をチャージしてそこから自動的に使用した金額が引かれるというわけではなく、自販機にそのマルチカードを突っ込んで行先に応じた金額の1回券あるいは回数券を購入すると、そのマルチカードが一回券としてあるいは回数券として使えるというわけですよ。マルチカードは回数券などを複数人数で使いまわすことは可能なので、同一行程でのグループの使用でもマルチカードの購入は1枚でOKです。詳しい使い方は、みゅうトラベルさんのサイトをご覧ください。

一度くらいしか使わないなら、最初の2.5ユーロのマルチカードの初期費用(Suicaや香港のオクトパスカードのように不要になっても返金はなし)がもったいないし、私のカードは回数券にしてあり1回1.2ユーロで使えるので、あとで使った分だけ支払ってくれればよいです、どうぞ使ってくださいと、ガイドさんがマルチカードを貸してくださったのです。本当にご親切な方ですね。

乗り換えで訳が分からなくなりそうだし、お散歩もかねて、オペラ駅まで歩きました。ホテルから歩いて15分弱くらいかな。平日午後ですが、ソルからオペラ駅周辺はかなりの人でなかなかごった返していました。

オペラ駅で地下鉄に乗って一駅のPrincipe pio駅に行きました。地下鉄は普通で別に怖くもなんともなかったです。一駅だったのであっという間に到着しました。自分でドアを開けるタイプの車両でしたから、ドキドキしましたが、前の人が開けてくれたのでよかったです。ヨーロッパではよく自分で開けるタイプの車両があり、いちいちドキドキしてしまいます。

トレド観光へGo!

フロリダホテルに集合して観光バスにてトレドへ

Principe pio駅で降りてすぐにフロリダホテルへの案内板に従って歩いていくとすぐに見えました。大型ホテルですが古ぼけておしゃれさのないホテルでしたね。私の泊まっているホテルの方が数段上だわ、ふふふ。

ロビーにガイドさんがおられましたので、地下鉄マルチカードと1.2ユーロをお返ししました。トレドツアーは9名参加だそうです。

9人のツアーでしたが、日本でもよくあるくらいの大型観光バスに乗って出発でした。マドリード市内の高速道路は少し渋滞していましたが、郊外に抜けてからはスイスイと進み、ほぼ1時間くらいでトレドに到着しました。

展望台からの眺望

まずは展望台からの眺望を楽しみます。展望台からは、トレド旧市街を一望できます。トレドで名を馳せたエル・グレコが描いた風景が現在でもほぼそのままだそうですね。

展望台からのトレド全景。数百年変わらない光景らしいよ。

それからバスに乗ってエスカレーターの真下あたりで降ろしてもらいました。トレドの街はバスを降りたところから、かなりの急坂を登った先にあるので見ただけでゲンナリしますが、今は便利なことに下から上までエスカレーターが完備されているので安心です。長い長いエスカレーターを何回も乗り換えて、いよいよ到着です。

ちなみに、エスカレーターを乗り降りするところの前後に、シャッターを閉めるときのための微妙な高さの段差があるので、浮かれているとつまずく危険大なのでご注意ください(とバスの中でガイドさんにさんざん注意されていたにもかかわらず、私を含め多くの人々が足をひっかけました)。

途中、バスから撮影したホセ川と橋(橋の名は不明)。窓ガラス越しの撮影なので手など写ってしまって見苦しくてすみません。

トレド観光のハイライト、大聖堂観光

到着してまず向かった先は、大聖堂です。1226年に着工して1493年に完成ですって。重機等機材もない時代にどうやってこんな大きな建物を作ったのでしょうね。外から見ても豪華絢爛な作りです。

大聖堂が見えてきました。

豪華な外観です。

大聖堂に入場して、まず宝物室を見学しました。金・銀・宝石で飾られた豪華絢爛な聖体顕示台、キンキラキンですごいです。ちょっとタイの仏像みたいですね。これがトレドのお祭りの日には赤じゅうたんが敷き詰められた街なかをお神輿のようにして練り歩くそうですが、祭りのどさくさで、宝石や金のカケラが盗まれたりはしないのかしら?この宝物室の天井にも華やかな装飾がほどこされていて美しいお部屋でした。

宝物室の聖体顕示台。豪華ですね。

全体像。こちらの写真はトレドで購入した本を撮影したものです。

天井にも華やかな飾りがあります。

お祭りで練り歩く光景。トレドで購入した書籍より。

次に大礼拝堂を見学しました。彫刻で作られた受胎告知、イエスの誕生から始まるイエスの生涯が天井までの全面にあらわされています。下から見上げることを考慮して、上に行くほど大きく作られているそうです。大迫力で圧倒されますね。

大礼拝堂。イエスの生涯が彫刻であらわされています。圧倒されます。

大聖堂内は、壁も天井も柱も何しろどこを向いても豪華絢爛です。

天井のフレスコ画 優雅な柱とステンドグラス。

バロック様式のトランスパレンテ。豪華絢爛過ぎる彫刻ですね。

この大聖堂はフラッシュなしの写真撮影が可能でしたので、エル・グレコの有名絵画「聖衣剥奪」も撮影できました。イエスがローマ兵士に捕えられ十字架にかけられる前に聖衣を奪い取られる場面で、イエスの赤色の衣は血と炎をあらわしていると言われているそうです。

トレドでのエル・グレコのデビュー作とも言われる「聖衣剥奪」。鮮やかな赤色の衣は血と炎をあらわしているそうです。

美し過ぎる大聖堂内部はゆっくりと見させていただきました。出入口には無料で貰える大聖堂の冊子置いてありましたが、荷物になるしスペイン語も英語も分からないのでパスしました。結構立派な冊子みたいでしたよ。

外に出て少し坂道を上がって、大聖堂全体が見渡せるところから外観を見ました。美しいですね、それ以外の言いようがありません。

ここでたどたどしい日本語でトレド案内の本(日本語版)を売りに来たおじさんがいて、5ユーロで絵はがきを2枚付けてくれるというので、購入しました。ガイドさんとはお馴染みのようでしたし、それほど高くないしいいかなと思って。結果、とても読みごたえのある本で買ってよかったです。なかなか日本語でトレドを紹介した書籍がないので、おすすめです。

大聖堂外観全景。きれいですね。

本を売りに来たおじさんから買いました。トレドの絵はがき2枚付きで5ユーロ。読み応えのあるトレド案内本で、おすすめです。

サント・トメ教会

次に向かったのは、サント・トメ教会です。大聖堂のように教会内部を見学するのかしら?と思っていましたが、入口入ってすぐの右手にあるエル・グレコの最高傑作と言われる「オルガス伯の埋葬」という絵画を見に来たのですね。何の予習もなく来てしまいましたが、すごい絵ですね。とても好きになりました。

サント・トメ教会、入口。左手の柱に描かれた少年はオルガス伯の埋葬に描かれたエル・グレコの息子さん。

エル・グレコの代表作 オルガス伯の埋葬。左の聖人が光源氏みたいで素敵です。この絵画は撮影不可ですので、wikimediaからお借りしました。

この絵画は、サント・トメ教会をはじめ、いくつかの教会の修復や、領民のためになることに私財を投じるなどの善い行いをした領主・オルガス伯が亡くなったときに、天上から二人の聖人が舞い降りてきて、埋葬を手伝ったという伝説をもとにして描かれたものだそうです。上半分は天上界でキリスト・聖母マリアヨハネ、ペテロなどが描かれています。下半分には地上世界が描かれており、後ろに並ぶ黒い衣装の参列者たちは地元の名士たちでどこの誰とまでわかっているそうです。手前の黒い服をまとった端正な顔立ちの少年は、エル・グレコの実の息子で絵の中の彼のハンカチにはしっかり名前まで描かれています。

私がこの絵がとても好きだなと思ったのは、天から舞い降りてオルガス伯を抱いている聖人の衣装がまるで、平安時代の貴人の衣装みたいでちょっと和風チックだし、何よりも向かって左手の聖人(聖ステファヌス)が、まるで光源氏のように美しいことからですね。源氏物語は大好きな物語ですが、この聖人は光の君にイメージがぴったりです。埋葬がテーマですが、鮮やかな色合いで華やかな感じの絵画でとても好きです。

二聖人が舞い降りたのは、この絵画が飾られている場所のすぐに後ろだと言われているそうです。

自由時間に小さくぶらりぶらり

サント・トメ教会の見学を終わってから、30分くらいの自由時間がありました。あとから地図を見てもそれがどこだったのかさっぱりわからないのですが、恐らくサント・トメ教会からそれほど遠くないところにあるトレドでお土産物屋さんやカフェなどが集中している目抜き通りのようなところだったかと思われます。が、どこの道も車が通れないような細いところが多く、この目抜き通り(と思われる通り)も小さな通りでした。

あまり遠くに行くと、間違いなく道に迷いそうでした。夕暮れ時で薄暗くなりかけていましたから、極力解散場所である集合場所から離れないように、近場でキョロキョロしていました。夕方で観光客も少なくなっているようで、静かな美しい通りでした。お菓子作りの作業に励むかわいいお人形がディスプレイされたお菓子屋さんや、小さなカフェ、トレド名物の刃物屋さん、お土産物屋さんなどが並んでいましたから、少しずつ見て行きましたが、これといって欲しいものもなく、カフェに入るほどの時間もなかったのでベンチで街の空気を吸い込みながらのんびりしていました。夕暮れのトレドの空気・雰囲気素敵でしたよ。こういうところに宿泊してのんびりしてみたいけど、やはり迷路のような街ですからそれはやっぱり無理そうです。

お菓子を作るお人形のディスプレイがかわいいお菓子屋さん。

トレド名物のお菓子マサパン。餃子みたいな形ですね。美味しいのかな?

トレドは刃物や甲冑なども有名だそうです。

通りは夕暮れ時で閑散としていましたが、いい雰囲気でした。

車が停まっている辺りが集合場所だったので、この辺りのベンチでゆっくりしていました。素敵な音楽が聞こえてきたりしていいところでした。12月の夕方にしては全然寒くなかったな。

あちこちにこのような細道が伸びていて、行き止まりも多いらしいです。恐ろしくて私は一人歩きは無理だと思いました。道が狭すぎてタクシーに迎えに来てもらうことも出来ないしね。

通りで針金のようなものをはじくか叩いて奏でる不思議な音楽を演奏している若い女性がいました。CDの販売もされているようで、私が見ていた時間だけでもちょこちょこ売れていました。お金を入れる容器がありましたから、ユーロを入れて、撮影の許可をいただき、写真や動画を撮らせてもらいました。とても不思議なきれいな音楽でした。癒しでしたね。

針金をはじく(叩く?)不思議な楽器を奏でるお姉さん。心洗われるような素敵な音色でした。

18:00頃、集合時間になり、また、長い長いエスカレーターを乗り継いでバスの乗り場まで戻りました。途中、トレドの新市街が見渡せました。

夕闇せまるトレド新市街。

マドリードに戻り、ホテルに戻りがてらライトアップ見学

バスで1時間くらいでマドリードに戻って来ました。19:00過ぎくらいにスペイン広場近くの高架のようなところで大急ぎで降ろされました。何しろ大渋滞の時間帯なので大変ですね。

ガイドさんに王宮の方角だけ教えていただいて、お別れして歩きだしました。午前中にプライベートツアーのように案内していただいた感謝の気持ちを伝えたかったのですが、何しろ大急ぎだったので何も言えませんでしたので、ここでお伝えさせていただきます。

あの時のガイドさま、本当にお世話になりました。ありがとうございました。いつの日かまたお会いできることがございましたら、是非お茶でもごちそうさせてくださいね。またお会いましょう。

ホリデーシーズンのせいか夜でも人がぞろぞろ歩いていて全然危険な雰囲気ではありません。100メートルおきくらいにパトカーが停まっていて、警察官や警備の人もたくさん立っているので、夜でも安心な感じです。もちろん油断は禁物ですが、安全な街のようですよ。

王宮、アルムデナ大聖堂、マヨール広場のライトアップを見学しながらホテルに戻りました。どこもキンキラしていない青白いようなライトアップが多くて、上品な落ち着いた感じでマドリード本当にいいところだわと改めて思いました。

王宮のライトアップ。美しい!

突然広場に現れるメリーゴーランド。こどもちゃんたちが楽しんでいました。

こちらはアルムデナ大聖堂のライトアップ。きれいです。

マヨール広場のクリスマスツリー。屋台もたくさん出ていて大賑わいでした。

のんびり歩いて帰ってきました。ホテルに着いたのが20:00少し過ぎて、無料のティータイムには間に合いませんでした、残念。疲れたし、眠たかったので、またまた、サンドイッチを作ってインスタントみそ汁とともに夕食替りにしました。こんなもんばっかり食べていて、マドリードにお金を落とさず本当に申し訳ない。

手作りクロワッサンサンドとインスタント味噌汁の超テキトーな夕食。

猛烈な眠気に襲われたのでシャワーを浴びて、早々に寝ました。21:00過ぎには寝入ってしまいましたが、またしても4時間睡眠で1:00頃には目覚めてしまいました。おばさんなので、4時間も眠れれば問題ナシです。写真整理をしながら米津玄師さんの公式のラジオ動画(youtube)や歌を聴いたりして、長い夜を優雅に過ごしました。彼の声には本当に癒されます。

朝までにお腹が空いたので、持参のカロリーメイトをひとかけら齧りました。

夜食にカロリーメイトをひとかけ。非常食に旅行にいつも常備しています。

次のページは、マドリード3日目(最終日)で、あてなく街を歩いてみたよ。この旅行記の目次はこちらです。